
第二新卒の転職活動で「志望動機がうまく書けない」と悩む人は多いでしょう。
特に「成長したい」「スキルアップしたい」といった理由だけでは採用担当の印象に残りません。
企業は「なぜ自社なのか」「どんな形で貢献できるのか」を重視しているからです。
この記事では第二新卒が陥(おちい)りやすいNGパターンと採用担当に響く志望動機の作り方・例文を詳しく解説します。
なぜ「成長したい」だけの志望動機はNGなのか

「成長したい」という志望動機はちょっと見たところ前向きに聞こえますが、それだけでは「なぜこの会社なのか」「どう成長して貢献したいのか」が伝わらず採用担当に響きません。
企業が知りたいのは、あなたが自社でどんな価値を発揮できるか?という具体性です。
自己成長だけを強調すると「目的意識が弱い」「すぐ辞めそう」と判断されるリスクもあるので注意が必要です。
企業が志望動機で知りたいのは「貢献意欲」
企業が志望動機を通じてあなたに確認したいのは「自社にどう貢献できるか」です。
「成長したい」という意欲は悪くありませんが、それが自分中心の動機に聞こえてしまうとマイナス評価になります。
たとえば「御社(おんしゃ)でスキルアップしたい」という表現では「スキルを磨いてどう活かすのか」が伝わりません。
- 例文(NG)私は成長したいと考えており、御社でスキルアップを図りたいと思いました。
- 改善例御社のチームで実務経験を積みながら、業務効率化に貢献できるスキルを身につけたいと考えています。
「自己都合」だけの動機は採用リスクに見られる
「残業が少ない」「安定している」など条件面だけで応募していると判断されると「またすぐ辞めるのでは?」と見られます。
採用担当は応募者のキャリア観の一貫性を見ています。
転職理由と志望動機の整合性が取れていないと不信感につながります。
差別化できず印象に残らない理由
「成長したい」「挑戦したい」といった言葉は応募者の多くが使うため、差別化するのは難しいのが現実です。
面接官は1日に何十人も同じような志望動機を目にするため、印象を残すには「自分の経験に基づく具体性」が必要です。
第二新卒が採用担当に響く志望動機の3つの要素

第二新卒の志望動機では、経験が浅くても「考え方の一貫性」や「企業への理解度」が伝われば十分評価されます。
採用担当が重視するのは、入社後の成長ポテンシャルと会社にどのように貢献できるかという明確なビジョンです。
ここでは、採用担当に響く志望動機を作るために欠かせない3つの要素を解説します。
① 転職理由との一貫性
転職理由で「前職で学んだこと」や「変えたい課題」を語りそれを志望動機につなげると説得力が増します。
- 例文前職では営業としてお客様対応を行う中で、商品企画に関心を持ちました。御社では顧客の声を活かせる商品づくりに携わりたいと考えています。
② 企業理解(共感・強みへの言及)
企業理念や事業内容に共感していることを伝えれば「自社研究ができている」と受け取られて好印象になります。
- 例文御社の「お客様第一主義」の理念に共感し、ユーザーの声を反映させる取り組みに魅力を感じています。
③ 自分の経験・スキルを活かす展望
第二新卒は経験が浅くても「どんな形で貢献できるか」を具体的に伝えることが大切です。
- 例文前職で培ったコミュニケーション力を活かし、チーム内での情報共有や顧客対応で貢献していきたいです。
未経験からでも採用されやすい志望動機の作り方

未経験からの転職では、経験不足を補うために「志望動機の伝え方」が特に重要です。
企業は、経験よりも「なぜその職種を選んだのか」「どのように成長・貢献していくのか」という姿勢を重視します。
ここでは、第二新卒が未経験職種でも採用されやすくなる志望動機の作り方を具体的なステップでわかりやすく紹介します。
ステップ① 自己分析で「なぜその業界・職種か」を明確に
まず「なぜその職種・業界を選ぶのか」を整理しましょう。
単なる憧れではなく「あなたの価値観・得意分野」と結びつけることが重要です。
- 例文(分析結果のまとめ方)人と関わりながら課題を解決する仕事にやりがいを感じたため、顧客対応を中心とする職種を志望しました。
ステップ② 企業研究で「共感できるポイント」を探す
企業の理念・事業内容・成長性などから「あなたが共感できる点」を抽出します。
- 例文若手にも責任ある業務を任せる御社の風土に魅力を感じ、自分の行動力を活かしたいと思いました。
ステップ③ 「自分が貢献できる部分」を具体化する
企業の課題や方針を踏まえて「あなたの経験がどう活かせるか」を具体的に伝えると強い印象を残せます。
- 例文前職で学んだ顧客対応力を活かし、御社のサービス品質向上に貢献したいと考えています。
例文|採用されやすい志望動機サンプル

実際の例文を読むことで、志望動機の構成や表現の流れがより具体的にイメージできます。
ここでは、第二新卒が使いやすい
- 「未経験職種への転職」
- 「同職種・異業界への転職」
- 「前職経験を活かす転職」
の3パターンを紹介します。
どの例も成長意欲だけでなく貢献意識を含めているため、採用担当に伝わりやすい志望動機の参考になります。
【例文1】未経験職種へのキャリアチェンジの場合
御社の営業職では、顧客のニーズに寄り添いながら提案ができる点に魅力を感じています。
前職で培ったコミュニケーション力を活かし、お客様との信頼関係を築く営業を目指したいです。
【例文2】同職種・異業界への転職の場合
今後は御社のようにITを活用したソリューション提案を行うことで、より多くの企業の成長に貢献したいと考えています。
【例文3】前職の経験を活かした志望動機の場合
御社の「人を中心にした経営方針」に共感し、これまでの経験を活かして採用体制の強化に貢献したいです。
志望動機とセットで重要な「自己PR」との違い

「志望動機」はなぜその会社で働きたいのかを伝えるもの、「自己PR」はあなたがどんな価値を提供できるかを伝えるものです。
両者をセットで考えることで、「貢献意欲+再現性」が伝わり面接官の印象が強まります。
ポイント:
志望動機=応募理由(Will)
自己PR=できること(Can)
採用担当がチェックしている3つのポイント

志望動機は「熱意」だけでなく、採用担当の評価基準を押さえることが重要です。
企業は、あなたの言葉の中から「①転職理由の一貫性」「②再現性のあるスキル」「③成長意欲と誠実さ」を見ています。
どれか一つでも欠けると、信頼感や将来性が伝わりにくくなります。
ここでは、採用担当が具体的にどのような視点で志望動機をチェックしているのかを解説します。
- 転職理由との一貫性
→ なぜ転職し、その結果なぜその会社を選んだのか? - 再現性のあるスキル
→ 実績だけでなく、今後どう成長していくかも重視しましょう - 成長意欲と誠実さ
→ 第二新卒はポテンシャル採用=誠実さが印象を左右します
まとめ|「成長したい」ではなく「どう成長して貢献したいか」を伝えよう

「成長したい」という言葉は、方向性を示せば強い武器になります。
大切なのは「どんな力を伸ばして」「どのように企業へ貢献するか」を具体的に伝えることです。
第二新卒はポテンシャル採用のチャンスがある世代です。
自分の意欲を企業目線で表現し、採用担当に「一緒に働きたい」と思わせる志望動機を作りましょう。







