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<長時間労働>“表向きホワイト企業”でもパワハラ横行の闇(毎日新聞)

最近の各種報道の中からホワイト企業・ブラック企業関連NEWSをピックアップしています。

●先日厚生労働省がブラック企業の公表に踏み切りましたが、”表向きホワイト企業”といわれる会社においても「深夜まで付き合い残業をさせられる」「パワハラ・セクハラが横行する」などの実態があることをレポートしたものです。一般的にホワイト企業といわれていても数千人、数万人の社員が所属する大企業であれば一部の部門や上司によってはブラック的な働き方をさせるケースもいまだあると思われます。ブラック企業といわれる会社はもちろんですが一部のホワイト企業にもみられるこのような過酷な働き方を無くしていくためには、今後も国・企業が一丸となって働き方の改善取り組みを粘り強く継続していくことが必要でしょう。

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厚生労働省が10日、違法な長時間労働や賃金未払い、最低賃金法違反など、労働基準関係法令に違反した疑いで書類送検された全国の企業334件を一覧表にして、ホームページで公開しました。いわゆるブラック企業の公表ですが、表向きは“ホワイト企業”であっても、酷い働き方を強いる企業があります。藤田結子・明治大商学部教授(社会学)が、20代会社員への聞き取りを基に報告します。【毎日新聞経済プレミア】

新緑がまぶしい5月。新入社員は働き始めて1カ月が過ぎたころでしょう。職場になじめない「五月病」を感じる人がいるかもしれません。しかしその「なじめない」感じは、必ずしも本人だけの問題ではないかもしれません。中には、職場や上司の側に問題があるケースも見られます。

20代男性たちに入社1年目の経験を聞き取っていると、いわゆるブラック企業でなくとも、過酷な働き方をさせられている実態が聞こえてきます。いくつかのケースを見てみましょう。

◇毎日深夜1時まで無意味な付き合い残業

康平さん(20代男性、仮名)は東京に本社がある大企業に正社員として就職し、1年目は支店に配属されました。彼は上司の指示で毎朝7時ごろには出勤し、オフィスの掃除をしています。毎日の帰宅時間も遅く、サービス残業で深夜1時ごろまで職場にいます。月の残業時間は軽く100時間を超えます。

といっても、新人の康平さんに特別な仕事があるわけではありません。上司が帰らせてくれないので、机に向かってパソコンで暇をつぶしながら、付き合い残業をしているだけです。

職場での付き合い残業のほかに、取引先との接待もあります。康平さんは飲み会の間、酒瓶を持ち、ずっと立っていなければなりません。その間、何も口に入れることはできませんが、数千円の代金は毎回自腹です。

康平さんは、「いつか結婚して子供がほしい」と思っています。が、長時間労働なので余暇が少なく、女性と出会う暇もありません。異動がなく、同じ部署に長くいる可能性もあるため、この生活がいつまで続くかわからず、将来の見通しを立てられないでいます。

◇パワハラは「指導」、セクハラは「文化」

智也さん(20代男性)は、有名な大企業に正社員として就職しました。智也さんは入社当初の研修で失敗し、人事部に目をつけられてしまいました。その結果、「パワハラ四天王」と呼ばれる男性上司がいる営業所に配属されました。

「パワハラ上司」は毎日、数十人いる社員たちの前で、新入社員の智也さんを大声で怒鳴りつけます。上司は智也さんに仕事のやり方を教えもしないのに、「○○もできないのか!」「○○しろっていってんだろうが!」と大声で怒鳴ります。

そのうえ、仕事の内容以外にも、智也さんのことをほかの社員と比較して、「お前はダメなやつだ」「ヘラヘラしやがって」と、人格を否定するような言葉で繰り返し叱責するのです。

智也さんはストレスがたまり、うつ状態に陥りました。1年目の夏にはもう転職を考えましたが、将来安定して暮らしていけそうな転職先は見つからず、毎日耐え続けるしかありませんでした。

大樹さん(20代男性)も人気の大企業に正社員として就職しました。大樹さんが配属された部署ではほぼ毎日、夜遅くまで取引先との飲み会があります。どんなに疲れていても帰れず、飲み会後にまた会社に戻って仕事をすることすらあります。

大樹さんはある時、仕事の飲み会の席で、下半身裸になって「芸」をするよう強要されました。学生のとき、周囲がどんなに羽目を外してもそこまでした経験はありません。とても恥ずかしいと感じましたが、職場の先輩たちに「嫌だ」とはいえない状況。泣く泣く言うとおりにしました。大樹さんは入社して半年後には、仕事をつらいと感じ、自信も失い始めたそうです。

智也さん、大樹さんの上司たちは、人前で人格を批判することを「指導」、裸にすることを「文化」だと信じているようです。しかし、それは紛れもなくパワハラ、セクハラです。

◇若い男性にもワーク・ライフ・バランスを

上記のケースの企業は、「ブラック企業」のレッテルが貼られていない、イメージの良い大企業です。3社とも「子育てサポート企業」として厚労相の認定を受けた「くるみんマーク」を取得しています。しかし若手男性社員には、長時間労働や過酷な働き方をさせています。

各種の調査では、多くの20代男性が、将来的に子育てに積極的に関わりたいと答えています。しかし、このような企業の働かせ方や文化が変わらなければ、彼らの願いはかなえられないでしょう。

子育ては女性だけの問題ではありません。国や企業は若い男性たちの人生を考えて、彼らの過酷な働き方を改善すべきです。本気で長時間労働を解消し、ワーク・ライフ・バランスを促進するときです。

(毎日新聞)

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